みなさん、こんにちは!
ダーウィンズ本社コミュニケーションデザイン部のC.HungYunです。
台湾出身の私が日本ダーウィンズ入社してからはや3年経ちました!

最近は新型コロナウィルス感染予防のためにリモートワークがメインになりますが
趣味も外出から料理(いかに食費を抑えながら1週間飽きずに楽しめる献立を考えること!)に変わり、
少しだけ女子力が上がった気がします。

さて、本題に入りますが、私が営業として様々な業務を携わってきましたが、
直近である工夫をすることで3ヶ月定期コースのアップセル率が改善された事例を紹介したいと思います。

 

新規受電業務の理想と現実

営業マンとしてよくクライアント様にこう相談されます。

「初回引き上げ時の顧客単価をあげたい」
「複数定期の引き上げを優先したい」
「定期引き上げ数を上げつつ継続率も担保したい」

それが全て実現できたら嬉しいですよね!
ただ、現実はそううまくいきません。

今回紹介するN社様の事例を申し上げると
最初、受電時の引上オファーを1ヶ月定期コースから3ヶ月定期コースに変更した時、
定期引き上げ率が40%から20%台に落ちました。
そこから現場SV(スーパーバイザー)がスクリプトのブラッシュアップやトーク指導を行うことで
少しずつ改善してきましたが、20%台での推移が続いておりました。

 

「目に見えない」課題とは?

そこで、担当営業の私とCRMチームの担当があるシンプルな行動をとりました。
それは「ひらすら音声を聞くこと」です。

スクリプトを見ずに、数百件の音声をひたすら聞くことで本施策3つの大きな課題を洗い出しました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
① お客様が定期コースにお試しがつかない事への反感の強さ
② トーク時間が長く(平均10分〜12分)お客様が途中で飽きてしまう
③ トークに馴染みのない単語と金額(数字)の羅列が多すぎて内容が伝わらない
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

このなかで施策改善の際に見落としてしまいがちなのは③です。
みなさん、定期コースのお得感を出したいがために、
ついつい以下のように数字をスクリプトに入れすぎてませんか?

※ポイント!
以下例の内容を目で見るだけでなく、声に出して読み上げるところを録音し
目を閉じたままその音声を聴いてみてください。

 

「通常1ヶ月分税込3,500円+送料220円で合計3,720円ですが、このお電話限定でお得な3ヶ月分の定期コースを用意しております。通常3ヶ月分は税込10,500円+送料無料のところ、このお電話限定で初回は40%OFFの6,300円に送料無料でお届けできますので、なんと通常より4,200円もお得なんですね!しかも2回目以降も定価に戻ることがなく、ずっと15%OFFの8,925円+送料無料でお届けできます!通常1ヶ月分1日あたり約116円相当ですが、3ヶ月分定期コースを申し込んでいただきますと、最初の3ヶ月は1日あたり70円でご利用いただけるのでぜひこの機会で試してみてください!」

 

いかがでしょうか?金額が全部うまく頭に入りましたでしょうか?
ほとんどの人はNOと答えるのでしょう。

お電話のコミュニケーションは音声のみ(聴覚のみ)のため、
このように文面で(視覚で)簡単に理解できる内容でも、耳で聞くと伝わりにくいことが実は多くあります。
数字の他に、少しでも商品の良さを伝えたいからと「アミノ酸、ペプチド、プラセンタエキス…」などの
成分名や専門用語をできる限りスクリプトに盛り込んでしまいがちです。

しかし、お客様からすると初耳の単語と金額が多すぎると、理解が追いつかないため
最終的に『よくわからないからとりあえずお試しだけください!』というマインドになりやすいのです。
(20代の私でも1回聴いただけでこの内容を全部覚えられないから、
電話通販メイン客層である60代以上の方にはもっと困難であることも容易に想像できます。)

 

スクリプト簡素化で一石三鳥?! アップセル率が20%改善‼

先ほど記載した3つの課題を解決しながら、クライアント様のご要望(定期率、継続率)を達成するために、
オファー見直し(3ヶ月定期だけお試しをプレゼント)のほかに、
スクリプトの簡素化をメインで取り掛かりました。

<スクリプト簡素化>
・表現の統一

・ストーリー構成のシンプル化
 →例え途中で購入動機によって分岐があっても、最終着地は同じところに

「○○成分は〜〜〜だから、そのお悩み解決に役立つ!」(課題解決案)

「さらにこの商品は■■■が特徴で、より高い実感を期待できる!」(商品特長)

「ただ、▲▲のため、そのお悩みを解決するのに長く続くことが大切」(継続啓蒙)
            ↓
「そこで、続けていただきやすいために、定期コースを用意した」(引き上げ)

・複数金額(数字)の使用を最小限に抑える
 →お客様に理解していただきやすいことを目的とし、お伝えする数字を「定価」、
「引き上げしたい定期コース初回金額」「割引額(お得さ)」と必要最小限に抑えた表現を考案。

上記のトーク見直しを行う際に重要なのは、とにかく声に出して読むことです。
実際N社様のスクリプトをブラッシュアップする時は、この商品のことを全く知らない同僚に聴いてもらい、
初めてこの案内を聴いた人にどこまで理解してもらえるかの検証をひたすら繰り返しました。

結果、3ヶ月定期コースの定期引き上げ率が「20%→40%」改善しただけでなく、
内容が伝わりやすくなったことで『定期案内後失注』の件数も減り、
なんと受注率も10%ほど向上した結果となりました。

さらにトーク時間も短縮し、センターの生産性が上がったことで
間接的に応答率改善にも繋がり、まさに一石三鳥です!

 

長期的なCRM視点を持って案内する

今回は「とにかく顧客視点を徹底してみた」ことから改善の糸口を見出しました。
我々コンタクトセンターは、長年蓄積してきたトークスキルと数多い実績が財産ですが、
もう1つの強みはリアルタイムにお客様とダイレクトに接していることです。

「今のお客様は何に一番興味を持って話を聞いてくださったのか?」
「どうして定期コースの注文に至らなかったのか?」
「会話とリアクションから、継続するメリットを感じられたのか?」

数値には表せにくくても、音声では感じ取れる内容がございます。
そういったところを見逃さず、お客様に沿った案内にしていければ
単一施策のKPIはもちろん、長期的な顧客満足度とLTVにも繋がると存じます。

なかなか思ったような成果が上がらない…
お客様にどう伝えれば商品の魅力が伝わるのか試行錯誤している…
などのお悩みがありましたら、お客様と事業者様とも満足していただける提案を用意させていただきますので
お気軽にご連絡ください!