みなさん、こんにちは!
水道橋コンタクトセンターのK.TATSUROです。

弊社ではメールアドレスをお預かりさせていただいた
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そこでは、
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・心理学を活用した仕事術
・生々しい現場(笑)
について、月1回情報をお送りしています。

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今回は、過去のメルマガから汎用を多くいただいた記事の中から
コミュニケーションの取り方によって、お客様の継続率へ
どのような変化が起こったのか?ご紹介させていただきます。

通販企業様から、「お客様の継続率を改善したい」
といったご相談を多くいただくのですが、
一つの手法として、『既存顧客へのフォローコール』があります。
心理学で有名な「ザイオンス効果」の活用です。

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 アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱。
 単純接触効果は、(閾下であっても)繰り返し接すると
 好意度や印象が高まるという効果。
 
 参考:ザイオンスの単純接触効果 ウィキペディアより
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%98%E7%B4%94%E6%8E%A5%E8%A7%A6%E5%8A%B9%E6%9E%9C
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昔から、営業の世界でも、
「足で稼げ」「とにかくお客様に会いにいけ」
と言われていたのはまさにこれです。

しかし、このザイオンス効果は最初の印象が重要です。
最初が悪いと、逆効果になります。
これを踏まえて、商品購入後の印象を高めるアプローチを実施します。

秘訣は、
『購入からしばらく経過、だけどお客様の商品印象が下がる前』
のタイミングです。

例えば、あるお取引先様では、お客様の声を集めていくと、
1ヵ月分のサプリメントを2週間飲んだ頃に、
「効果を感じられない」
「次回お届けを辞めようかな」
といったお声が増加しはじめる、ということがわかりました。

フォローコールの数値事例 

そこで、商品到着予定日から、
10日前後に弊社コンタクトセンターから電話し、
ご様子伺いをしつつ、お客様と雑談をしました。

そのタイミングでのお客様は、
「なんとなく効果はわからない」
「まだ飲み始めたところ」
といった話が多いです。
お客様の心情に共感し、
これから先を応援するような明るい会話を続けます。

その結果、
・フォローコール実施したお客様リスト
・フォローコール未実施のお客様リスト
では、2回目購入への継続率に、5%の差がでました。

もちろん、成功事例ばかりではありません。
失敗事例も多数あります。

フォローコールにおいて、
到着予定日から20日前後に実施したときは、
「丁度良かった!2回目のお届けを止めてほしい」
と解約要望を多数引き当ててしまった、
ということがありました。

フォローコールはタイミングよく、
かつスピーディーに行うことが重要でした。
また、担当マドンナごとに、会話後の
継続状況を追っていくと、差が開くこともありました。
(マドンナとは弊社オペレーターの呼称です)

その差を解明すべく、複数の通話音声を聴いてみると、
一つ、大きな違いが見つかりました。

継続率が高いマドンナ、共通した会話

それは、
『お客様とプライベートな話ができているか?』でした。

プライベートとは、
・健康状態
・食生活
・運動習慣
・家族やペット
など。

継続率を高められているマドンナほど、
お客様とそういった話題で盛り上がる瞬間が多かったのです。

逆に継続率に変化を起こせていない音声では、
「お元気ですか?」
「順調に飲んでいますか?」
「実はこちらの商品は~」
「ぜひ続けて飲んでくださいね」
といった、情報収集~情報提供~プッシュトーク、
の流れでした。

「これは尋問みたいだ…」と感じる会話でした。

このような流れに陥らないよう、トークスクリプトを
修正していくことで、数値改善に取り組んだ事例です。

他にももう一つ有名な、エビングハウスの忘却曲線、
というものをご紹介したいです。
人は1日経過すると、記憶したことの70%を
忘れてしまう、という説が有名ですが、
実験の詳細は、少し意味合いが異なります。

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 忘却曲線は、記憶の中でも特に中期~長期記憶の忘却を
 表している。一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに
 必要な時間(または回数)をどれくらい節約できたか。
 参考:エビングハウスの忘却曲線 ウィキペディアより
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%98%E5%8D%B4%E6%9B%B2%E7%B7%9A
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この実験で使われた記憶の媒体は、
無意味な言葉の羅列でした。

そのため学習や行動に関する記憶は、
実際にはもっと長く維持される、とも言われています。
人のモチベーションもこれと同じで、
日を経過するごとに下がってしまうものです。

お客様のリピート申込率が高まった事例 

ある企業様で、VIP会員顧客へのお礼として、
一人一人に内容を変えた、プライベートなお礼メールを送りました。

そこで、お客様からの返信率を調査していったところ、
サービス提供当日にお礼メール・・・・100%返信有り。
サービス提供翌日にお礼メール・・・・ 80%返信有り。
サービス提供3日後にお礼メール・・・ 40%返信有り。
サービス提供7日後にお礼メール・・・ 15%返信有り。
だったそうです。

個人的なお礼のメールであっても、日数が経過すると、
返信率が下がってしまうのは興味深いです。

この会社では、これが判明して以降、
『プライベートな内容をスピード早く提供することが重要』
という方針になりました。
サービス提供当日に、手短に一言プライベートな内容を添えた、
お礼メールを送るようになったそうです。

その後、
「メールからのお客様のリピート申込率が去年よりも高まっている」
と言われていました。

今回は、
・商品購入後、数日経過してのフォローコールの事例
・サービス提供、当日中のお礼メールの事例
の二つをご紹介させていただきました。

タイミングの異なる二つの事例ですが、このように、
継続率を高めるコミュニケーションの最適解は、
商品やサービスごとに異なります。

ただ、効果が出ている施策には、共通点が二つ。
1、プライベートな内容が含まれていること。
2、気持ちが下がる(=忘却)前に連絡すること。

これらが重要であることは間違いないです。

プライベートな内容は、再現性や拡張性が難しく、
電話や対面だからこそ提供できることです。

Line、メール、紙DM、等でのお客様フォローで、
数値改善に行き詰ったときは、
「電話」
も検討していただけると嬉しいです。